四大陸選手権のリカバリーをたどる②実施されたFS(フリースケーティング)

【FSでのジャンプのルール】

8回まで。コンビネーションは3回まで。そのうち3連続は1回まで。

  • 同じ種類のダブルジャンプは2度まで
  • 2度跳ぶことのできるトリプル以上のジャンプは2種類まで
  • 同じトリプル以上のジャンプを2度跳ぶ場合はどちらか一方をコンビネーションにすること

これを踏まえてカウントすると

  1. 4Lo
  2. 4S
  3. 3F
  4. 4S+3T→2S+1Lo【16.28→1.98:-14.3】 “1Loの後に4Sをやろうと思ったんですけど、ちょっと非現実的だなと一瞬のためらいがあった。戻してしまって、まずそこでコンビネーションを使ってしまったというふうに考えて、でもサルコーの重複がないことも考えつつ、2回転だったということも頭にいれつつとにかくコンビネーションの3Tと、4回転もう1つ、ということはすぐ考えました。” 

    この時点では得点源の4回転とコンビネーション3Tを、どこかで取り返さなくてはと考える。(コンビネーションは前のジャンプの着氷足でそのままジャンプ。右足からジャンプするのはTかLoのどちらかで、セカンドで勢いが落ちてるからTの方が跳びやすい。)。コンビネーションは残り2回。


  5. 4T
  6. 3A+2T→3A+3T【10.78→14.08:+3.3】 “4Sに挑戦しようと思ったんですけど、ちょっとスピードが足りないなと思ったので。”

    3Aは得点源なのでそのまま実行。2Tを3Tに昇格して3点アップ×1.1倍で3.3点取り返す。コンビネーションは残り1回。


  7. 3A+1Lo+3S→4T+2T【14.74-12.76:-1.98】 “そのあと考えてみたら、トウループと軌道が大体同じような感じだったので、スピードを少し落として、4回転トウループを跳ぶことにしました。跳んだ後、ブライアンの顔が見えたんですけど、お前何やってるんだみたいなことを言っていましたね。”

    ここで4Tを入れる。終盤に近いところで入れるのは体力的にリスキーと思えるけど、体力が余っていると感じていたそうだ。4Tより4Sの方が0.2点稼げるけど、今回はSの調子を落としているから見送り。

    元々4Tは「鼻ほじってても」跳べるジャンプ(NHK杯:明子の部屋での本人談)だったけど、リスフラン関節の為に跳ぶ回数をセーブしていた。

    ちなみにセカンドを3Tにしてしまうと「2度跳ぶことができるトリプル以上のジャンプは2種類まで」なので、4Tと3Tの2種類を2度跳んでしまう事になり、最後に3A(既に1本跳んでいる)を跳ぶことが出来ない。なのであえてのセカンド2T。


  8. 3Lz→3A【6.6→9.35:+2.75】“ルッツやろうと思ってたが、アクセルできるんだと思って。”

前のコンビネーションで使わなかった鉄板3Aをここに持ってくる事で、2.75点取り返す。GOEも付きやすい羽生選手の代名詞的ジャンプ。「どこでも跳べるという考えから最後に入れた。ただそれをできる選手はなかなかいない。それも本番で急遽変えてきた入り方。」(解説の本田さん談)

Lzは後ろ向きになって跳ぶジャンプ。Aは前向き。軌道をその場で変更して跳んでいる。

結果、なかなか達成できなかった「フリーに4回転4本、後半3A2本」が成功した。リカバリーを考えながら演技できるという事は、相当滑り込んで身体が勝手に動く状態になっているのかもしれない。

演技全体の印象がちょっと違って見えた。前回の方が優しい雰囲気?だったような。振付のブラッシュアップをした結果の、今回の演技なのか。それとも今回だけのものなのか。

完成形はできていると語っていたので、次回はどんな演技になるのか楽しみ。

 

四大陸選手権のリカバリーをたどる①FS(フリースケーティング)前の状況

リアルタイムでFS(フリースケーティング)が観れなかったので、ネットの文字情報では状況がよく分からなかった。
『もの凄いリカバリーで失点を小さく抑えた』と読んでも、ニワカの私には凄さがピンと来ない。

そこで、フジテレビのHERO’Sにて放送された羽生選手のセルフ解説から、『凄さ』をたどって理解を深めてみる。

【FS(フリースケーティング)前の状況】
羽生選手はSP(ショートプログラム)で4S+3T(4回転サルコウ+3回転トウループ)が抜けて、2S+3T(2回転サルコウ+3回転トウループ)になってしまい、トップとは6.08点差で3位になった。

トップのネイサン選手は直近のアメリカ国内戦(全米選手権)で5本の4回転を跳んで優勝している。

ネイサン選手は今大会でFSの要素予定で4回転4本と申請していたらしいが、体調が悪くなければ世界選手権のおよそ1か月前の今国際大会では、必ず5本は跳んで来るだろう。自信と実績を積むチャンスだから。

212.08 がその全米選手権でのネイサン選手のFSのスコア。

この点数は参考得点だが、(212+6=218)218点を羽生選手が出せれば自力優勝が確実になる。

羽生選手の今季はNHK杯の 197.58が最高得点。

この時は4S+3Tで4Sを回りきっての転倒。コンビネーションに出来ていない。
4S+3TのVB(基礎点:ベースバリュー)が16.28。
(4S:10.5、3T:4.3、後半ジャンプ1.1倍加算→10.5+4.3=14.8×1.1=16.28)

NHK杯はここが4.09しか取れていないので(16.28-4.09=12.19)12.19取りこぼしていた。その分を単純に上乗せすると(197.58+12.19=209.77)209点<218点!

基礎点が取れただけでは超えれない計算になるが、ノーミスした場合は評価点(GOE)・演技構成点(PCS)も加算されるので、足らない9点程度は追加できるだろう。なのでノーミスに近い演技が必要になってくる。

しかし、ノーミス演技などは実際そんなに出来るものではないようだ。スケート人生で数回と元選手が語っているのを聞いたことがある。

ニワカ素人のザックリ計算だけど218点に近い点数なんてだせるのか?

ネイサン選手の得点も、国際大会なので同じ演技をしたとしても、もう少し下回って出るかもしれない。そうすると218点でなくてもOKかもしれない。

羽生選手のFS前の曲かけ練習でも4Sのコンビネーションジャンプが決まらなくなっていた。(単独ジャンプや曲なしでは決まってるのに。)

本番でコンビネーションジャンプが修正できるのか注目していた。