ロステレコム杯で4回転ルッツ(4Lz)成功!

10月20日・21日に行われたISUグランプリシリーズ第1戦のロシア大会『ロステレコム杯』にて、羽生選手は2位の銀メダルだった。第2戦『スケートカナダ』も今日(10月29日)男女シングルは終了した。今の段階では、まだポイントランキングの事は何も語れない。

最も重要なのは、4回転ルッツ(4Lz)が試合でGOE 1.14の加点付きで決まったこと。


『かめ太郎真夏の氷上カーニバル』の後に“恩師の都築章一郎氏に「4回転ルッツをプログラムのどこに入れようか検討している」と羽生選手が語った”という記事が新聞に出ていた。本人が直接記者に語ったものでなかったし、映像も無いので「マジで?」と思っていた。

羽生選手は先シーズンの世界選手権終わりから、事あるごとに記者に「新ジャンプは?」と聞かれまくり、その都度「今は考えていない。」とスルーしてきた。

“今まで練習をやってきて、『ルッツを入れられるな』と思ったのが、今回(4回転ルッツを)入れることにした理由のひとつですね。五輪へ向けてこれからどんどん試合を重ねていくわけですけど、実際には試合数も限られていますから。本番へ向けて、試みた回数というのも一つひとつ大事になっていくと思うので、その意味でも、できるだけやりたいと考えました。(中略)

オータムクラシックのように集中力が途切れることを避けるためにも、今自分が一番実力を発揮させる構成で、自分が一番本気を出せるプログラムでやりたいと思っています。”

Web sportiva :羽生結弦が語ったグランプリシリーズ初戦で「4回転ルッツを跳ぶ理由」

その他、大量の記事やインタビューから抽出できたことは

  1. 4回転ルッツは夏から構成に入れて練習。
  2. ジャンプ自体は4年前からコツコツと練習して、理想の「降りるだけじゃなく、美しく表現の一部になるジャンプ」になった。
  3. メディアデーとオータムクラシックは右膝の影響で封印(メディアデー終わりのフォトセッションでふざけた写真(野球のバッティングポーズや相撲の四股踏み)が多かったのは、そのフラストレーションだったのか?)。
  4. オリンピックシーズンだが「守り」より「攻め」を選んだ(その方が自分らしく戦える)。
  5. 武器は多ければ多いほど、精神的にも戦略的にも優位に立てる。初戦から投入してジャンプの安定を図りつつ、オリンピック直前まで最良の構成を探る(その為にも再演プロは優位)。

詳細は『フィギュアスケートマガジン』を待てば判るだろう。モスクワでの臨場感(記者たちのバタバタ)溢れる記事 “ベースボール・マガジン社Web:モントリオールの経験を生かして   。羽生結弦、モスクワで4回転ルッツに挑む。”も面白かった。

更に嬉しいニュースとして、平昌オリンピック後も現役続行する事を語った!

“朝日新聞デジタル:羽生「4回転半やりたい」 平昌五輪後の現役続行に意欲”

今季4Lzが成功したので、残るクワド(4回転ジャンプ)はループとアクセル。「全ての4回転ジャンプを跳ぶ」ことも羽生選手が恩師の都築氏と約束していると以前に雑誌で読んだことがある。それならば、後2~3年は羽生選手を試合で応援できるだろうか。少なくとも、もの悲しい気分で平昌オリンピックを観戦しなくても良くなった!羽生選手に感謝!

ロシアの前にオータムのおさらい

今週末はいよいよISUグランプリシリーズ第1戦のロシア大会『ロステレコム杯』に羽生選手が出場する。


ちなみに『ロステレコム』はスポンサー名らしい。調べると「ロシア最大の固定電話において最大手の通信会社」と出てきた。日本のNTTみたいな感じかな?

  1. ロシア(モスクワ)『ロステレコム杯』
  2. カナダ(レジャイナ)『スケート カナダ』
  3. 中国(北京)『アウディー杯』
  4. 日本(大阪)『NHK杯』
  5. フランス(グルノーブル)『フランス国際』
  6. アメリカ(レイクプラシッド)『スケート アメリカ』

と6戦してポイント上位6選手がGPF(グランプリファイナル)名古屋に出場できる。羽生選手はロシア大会と日本大会に出場する。


『オータムクラシック』のおさらいと今季のルール変更を、ロシア大会前にまとめる。

1.SP冒頭のポーズの変化

以前のバラ1冒頭はスタートポジションから滑り出しまで、ずっと瞼を閉じていた。振付師のジェフリー・バトルは「金メダルを取った後の周囲の喧騒から離れて、氷の上にいる彼だけの特別な瞬間が始まるように」振り付けたと語っていた。今季は正面をじっと見つめて、首廻しの部分で瞼を閉じる。確かアイスショーでも、冒頭は目を見開いていた。何かしら意味があるような?ロシア大会ではどうスタートするのか?


2.4T+3Tのセカンドジャンプのタノ付け

右膝の違和感の為ジャンプ構成を下げたが、SPラストの連続ジャンプにタノを付けた。空中での姿勢変形 は加点要素に含まれている(国際スケート連盟コミュニケーション第 2089 号 )。タノを付けると軸がブレ易く高さも出にくくなるらしい。下げた構成を少しでも上げるためにタノったのか?今季はこれが通常仕様なのか?

実はメディア・デーのカメラがタノった映像を押さえていた。その時はファンの間ではざわついていたが、メディアはスルーだった。今回はニュースでも「タノは加点要素。でも難しい。」と解説されていた。

ジャッジの評価は7人(B級試合なので)中2人は『+2』、5人は『+3』で、惜しくも満点評価にはならなかった。『タノった影響でジャンプの高さが足りない』or『セカンドジャンプにタノは技術が高い』と評価が分かれたのかもしれない。9人のジャッジになった時、どう評価されるのか?(GOEは最高最低カットしての平均なので、8人が『+3』を付けないと満点は出ない。)羽生選手は文句の出ないレベルまでジャンプの精度を高めて来れるのか?(右膝、ガンバー!)


3.チェンジフット・シットスピン(CSSp4)の満点GOE

シットスピンは羽生選手自身『得意』と公言している。柔軟性を生かした形状と、手の表現を付けても回転がブレない。オータムでは満点GOE(1人『+2』だがカットされる)。先シーズンの『Let’s Go Crazy』はアップテンポで次々にエレメンツをこなさなければならない、忙しいプログラムだった。スピン前のジャンプを失敗すると、スピンの回転カウントが足りないうちに切り上げて次の要素に移らないと曲に置いて行かれるせわしなさだった。今季のバラ1は、そんな『Let’s Go Crazy負荷』のお陰で、心身共に余裕があるのかもしれない。


4.連続ジャンプのルール変更

FS中に3連続ジャンプは1回、2連続ジャンプは2回まで入れられる。4回転ジャンプ並みの得点源だ。大抵『3A-1Lo-3S』のように、セカンドジャンプは1Lo。今季からは失敗して『3A-1Lo』で終わった場合でも、連続ジャンプとしてカウントしないらしい。つまりセカンドジャンプを1Loで終わらせておけば、限りある連続ジャンプの回数が消費されず、連続ジャンプでのリカバリーが可能になる。

今までのように連続ジャンプとしてカウントされていると、残りのソロジャンプを高得点のジャンプ(4回転とか)にしないと挽回できなかったが、計算次第ではコンビネーション(連続ジャンプ)が巧く出来れば戦える。。。のかな?

少なくとも「あーコンボ、使い切った~。」とプログラム途中でガッカリしなくても済む。ジャンプ制限を計算しながら演技するのは大変そうだし、1Loで終わらせたジャンプばっかりだと演技構成点が下がるだろうが。。。


5.ステップシークエンス(StSq)の救済

難しいターン・ステップ(ツィズル、ブラケット、ループ、カウンター、ロッカー、チョクトウ)を3連続で行うとレベル上げになる(異なるものを各足で一つずつ以上)。通称クラスター。もしくはディフィカルト3連。

「各足とも試みられた最初の組み合わせのみが数えられる。」と『テクニカル パネルハンドブック2017/2018 版』に明記されていたので、てっきり最初のステップ・ターンが認定されなければ、クラスター不成功になってしまうと思っていた。しかし、「最大ターン数の制限はない」とも明記されていて、例えば連続してステップ・ターンを3以上やっておいて、そのどこかで3連続認定されていればクラスター成功になるらしい。 ×〇〇〇でも良いし、〇×〇〇〇でも良い。(〇=成功、×=失敗)

ただ両足行わないとレベル上げにカウントされないし、保険をかけてステップに時間をさきすぎると他のエレメンツの時間を圧迫してしまう。得意足は○○○と一発でキメて、不得意足は保険をかけて4・5連続しておくとか?体力とプログラムとのバランスが大事かもしれない。例え長くステップ・ターンを踏んでいても、〇×〇×〇だったとしたら得点が出た時「あんなにステップ長かったのに、レベル低いなぁ。」なんてことになってしまう。テクニカルジャッジみたいにステップ・ターンの見分けは付かないし、出来もわからないので「なんで?」と思いながら採点表を眺めることになるかもしれない。


SP(ショートプログラム)の新衣装とEX(エキシビジョン)の発表がロステレコムでは楽しみ。

バラ1衣装はSEIMEIのようにマイナーチェンジなのか?EXはソチシーズンのように過去プロになるのか?もしかしたらジャズかな?(過去にジャズもやってみたいとか語っていた。)