今週末はいよいよISUグランプリシリーズ第1戦のロシア大会『ロステレコム杯』に羽生選手が出場する。
ちなみに『ロステレコム』はスポンサー名らしい。調べると「ロシア最大の固定電話において最大手の通信会社」と出てきた。日本のNTTみたいな感じかな?
- ロシア(モスクワ)『ロステレコム杯』
- カナダ(レジャイナ)『スケート カナダ』
- 中国(北京)『アウディー杯』
- 日本(大阪)『NHK杯』
- フランス(グルノーブル)『フランス国際』
- アメリカ(レイクプラシッド)『スケート アメリカ』
と6戦してポイント上位6選手がGPF(グランプリファイナル)名古屋に出場できる。羽生選手はロシア大会と日本大会に出場する。
『オータムクラシック』のおさらいと今季のルール変更を、ロシア大会前にまとめる。
1.SP冒頭のポーズの変化
以前のバラ1冒頭はスタートポジションから滑り出しまで、ずっと瞼を閉じていた。振付師のジェフリー・バトルは「金メダルを取った後の周囲の喧騒から離れて、氷の上にいる彼だけの特別な瞬間が始まるように」振り付けたと語っていた。今季は正面をじっと見つめて、首廻しの部分で瞼を閉じる。確かアイスショーでも、冒頭は目を見開いていた。何かしら意味があるような?ロシア大会ではどうスタートするのか?
2.4T+3Tのセカンドジャンプのタノ付け
右膝の違和感の為ジャンプ構成を下げたが、SPラストの連続ジャンプにタノを付けた。空中での姿勢変形 は加点要素に含まれている(国際スケート連盟コミュニケーション第 2089 号 )。タノを付けると軸がブレ易く高さも出にくくなるらしい。下げた構成を少しでも上げるためにタノったのか?今季はこれが通常仕様なのか?
実はメディア・デーのカメラがタノった映像を押さえていた。その時はファンの間ではざわついていたが、メディアはスルーだった。今回はニュースでも「タノは加点要素。でも難しい。」と解説されていた。
ジャッジの評価は7人(B級試合なので)中2人は『+2』、5人は『+3』で、惜しくも満点評価にはならなかった。『タノった影響でジャンプの高さが足りない』or『セカンドジャンプにタノは技術が高い』と評価が分かれたのかもしれない。9人のジャッジになった時、どう評価されるのか?(GOEは最高最低カットしての平均なので、8人が『+3』を付けないと満点は出ない。)羽生選手は文句の出ないレベルまでジャンプの精度を高めて来れるのか?(右膝、ガンバー!)
3.チェンジフット・シットスピン(CSSp4)の満点GOE

シットスピンは羽生選手自身『得意』と公言している。柔軟性を生かした形状と、手の表現を付けても回転がブレない。オータムでは満点GOE(1人『+2』だがカットされる)。先シーズンの『Let’s Go Crazy』はアップテンポで次々にエレメンツをこなさなければならない、忙しいプログラムだった。スピン前のジャンプを失敗すると、スピンの回転カウントが足りないうちに切り上げて次の要素に移らないと曲に置いて行かれるせわしなさだった。今季のバラ1は、そんな『Let’s Go Crazy負荷』のお陰で、心身共に余裕があるのかもしれない。
4.連続ジャンプのルール変更
FS中に3連続ジャンプは1回、2連続ジャンプは2回まで入れられる。4回転ジャンプ並みの得点源だ。大抵『3A-1Lo-3S』のように、セカンドジャンプは1Lo。今季からは失敗して『3A-1Lo』で終わった場合でも、連続ジャンプとしてカウントしないらしい。つまりセカンドジャンプを1Loで終わらせておけば、限りある連続ジャンプの回数が消費されず、連続ジャンプでのリカバリーが可能になる。
今までのように連続ジャンプとしてカウントされていると、残りのソロジャンプを高得点のジャンプ(4回転とか)にしないと挽回できなかったが、計算次第ではコンビネーション(連続ジャンプ)が巧く出来れば戦える。。。のかな?
少なくとも「あーコンボ、使い切った~。」とプログラム途中でガッカリしなくても済む。ジャンプ制限を計算しながら演技するのは大変そうだし、1Loで終わらせたジャンプばっかりだと演技構成点が下がるだろうが。。。
5.ステップシークエンス(StSq)の救済
難しいターン・ステップ(ツィズル、ブラケット、ループ、カウンター、ロッカー、チョクトウ)を3連続で行うとレベル上げになる(異なるものを各足で一つずつ以上)。通称クラスター。もしくはディフィカルト3連。
「各足とも試みられた最初の組み合わせのみが数えられる。」と『テクニカル パネルハンドブック2017/2018 版』に明記されていたので、てっきり最初のステップ・ターンが認定されなければ、クラスター不成功になってしまうと思っていた。しかし、「最大ターン数の制限はない」とも明記されていて、例えば連続してステップ・ターンを3以上やっておいて、そのどこかで3連続認定されていればクラスター成功になるらしい。 ×〇〇〇でも良いし、〇×〇〇〇でも良い。(〇=成功、×=失敗)
ただ両足行わないとレベル上げにカウントされないし、保険をかけてステップに時間をさきすぎると他のエレメンツの時間を圧迫してしまう。得意足は○○○と一発でキメて、不得意足は保険をかけて4・5連続しておくとか?体力とプログラムとのバランスが大事かもしれない。例え長くステップ・ターンを踏んでいても、〇×〇×〇だったとしたら得点が出た時「あんなにステップ長かったのに、レベル低いなぁ。」なんてことになってしまう。テクニカルジャッジみたいにステップ・ターンの見分けは付かないし、出来もわからないので「なんで?」と思いながら採点表を眺めることになるかもしれない。
SP(ショートプログラム)の新衣装とEX(エキシビジョン)の発表がロステレコムでは楽しみ。
バラ1衣装はSEIMEIのようにマイナーチェンジなのか?EXはソチシーズンのように過去プロになるのか?もしかしたらジャズかな?(過去にジャズもやってみたいとか語っていた。)